英語の学習方法は、その人が英語を何に使うかによります。ですから、英会話から始めるのも文法から始めるのも間違いではありません。では、多くの人が英会話をしたいと思う一方で、英会話も文法ができないといけないと豪語する人の考えはどのようなことから来ているのでしょうか。
英語を文法から始めるべきだという理由のひとつは、日本人の学習方法がそもそも文法からだったからです。帰国子女や、幼少期のうちにインターナショナルスクールに通っていたとなれば脳の仕組みが違うのでまた別の学習方法が向いているのですが、日本に生まれ育ち、英語に触れることなく中学校で本格的に英語を科目としてやり始めた場合、脳は完全に文法色に染め上げられてしまいます。これが日本の教育です。
このように、13歳時点で既に英語は文法から学ぶことを覚えた私たちは、文法を理解しないことにはリスニングもスピーキングも満足に理解できないというのがひとつの考えです。文法という英語を理解するためのルールを理解してからなら、リーディングもライティングも、英会話もすべて習得できるという考えですね。
また、先ほど少し言いましたが、幼少のころに英語に触れてこなかった人間が新しい語学を学習する時、リスニングから入るのは難しいことだと言う考えもあります。いきなりリスニングやスピーキングから入るのは無理があるので、じっくり考える時間がある文法から入り、その語学を理解していくのが正しいという説です。
この考えには正解も不正解もなく、英語を学ぶ目的や、その人にとっての向き不向きによって合っているかどうかが決まります。ですから、文法からやってみたい人、昔からまずは机で勉強してからの方が自信がついた人は文法の理解から始めてみるのも良いでしょう。中学の文法はさらりと流し、高校レベルの文法のおさらいをする方法もあるので、自分のレベルに応じて勉強法を変えてみてください。
一方で、英語といっても英会話がしたいので、完璧な文法よりも実践を重ねることに重きを置きたいという人は文法より実践練習に重点を置くことも間違いではありません。むしろこちらの方が効率的ではあるでしょう。ライティングテストの点数を上げたい時に英会話練習をするのは非効率的ですが、リスニングやスピーキングを強化したいなら文法から始める必要はないですよね。このように、自分の目的に合わせて英語を何から勉強するかを考えてみてください。
