読む:日本語を読む効果

英語の長文読解について理解度を高めたいというとき、実は英語以外のところに原因があるということもあります。それは、そもそも長文を読むということに慣れていないケースです。

例えば、普段から日本語で新聞を読む習慣がない人が、英字新聞をすらすら読めるようになるかというと、なかなか難しい話でしょう。しかし普段から日本語で新聞を読んでいる人なら、英字新聞を見たときに、「こういう書き方をしているということは、日本語でのこういう表現に近いのではないか」ということが分かってきたりします。

それ以外にも、全く専門分野の異なる英文を読んだとき、英語を直訳的に解釈することはできたとしても、意味は全くわからないというようなこともあります。つまり、『日本語で読んだとしても意味が分からなかった』ということがあり得るのです。

これを解決するための方法は、実は日本語で文章を読むようにすることです。普段から、ちょっとした文章を日本語で読む癖をつけましょう。それは新聞でも構いませんし、新書でも構いませんし、小説でも構いません。英文で自分が読むことになるものと同じジャンルの日本語の文章を読むようにすることで、どういったスタイルが用いられることが多いのか、どういった語彙や用語が理解に必須であるのか、どういった前提知識が必要なのか、といったことが分かってきます。

こういった読解力を上げるためには、日本語で文章を読むときにも精読をするようにしましょう。一文ずつ、丁寧に意味を拾いながら、筆者がどういう主張をしようとしているのか、またどういった効果を狙った表現であるのかといったことを考えながら読むと良いでしょう。読んでいくなかで引っかかる表現や意味が分からない表現があれば、意味が分かるようになるまで何度も読み返してみましょう。その手掛かりは前後の文脈にあったり、言葉の使い方が特別であったりするところにあるかもしれません。このようにして言語依存しない純粋な読解力を高めることで、英文のリーディングにおける読解力を高めることが可能なのです。

ちなみに、例えば『この小説は好きじゃない』、『この作者の文体は好みじゃない』というように、文章やスタイルとの相性は存在するものです。特にエッセイや小説など、筆者の文体が強く出る文章にはそういうものを感じることも多いでしょう。これは英語においても例外ではありません。正しく文章を文法的解釈できていて、意味も取れているが、何となく釈然としないというようなときには、単純に『この作者とは馬が合わないのかも』と考えてみても良いかもしれません。

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