英語を話さなければいけない場面で、最も難しいシチュエーションはスピーチでしょう。つまり、人前でまとまった内容を一方的に話すような場合です。こういった場合にどういった自学自習や独学が可能であるか、考えてみましょう。
スピーチのような場面設定としては、主にふたつあります。ひとつは特に原稿などがなく、その場で何かを話さなければいけないような場合、もうひとつは原稿などを用意し、その通りに話すことができる場合です。後者の『原稿を用意できる場合』は、スピーキングというよりもむしろライティングの能力の方が重要になります。ライティングで文章を書いた後で、それを正確な発音やスピードで発声することが求められるからです。ライティングの能力をどうすれば伸ばせるかについては、別の記事で扱います。
正確な発声やスピードについては、お手本となるようなスピーカーを見つけるのが良いでしょう。YouTubeなど、ネイティブが話をしている動画を探し、そのスピーカーの話し方を真似してみましょう。その際、発音に不安があるようであれば、発音記号を勉強し直すのも良いかもしれません。このようなやり方はリスニング対策としても有効です。正しくリスニング対策をして、自分もその発声ができるように練習してみると良いでしょう。発声練習の際には、自分の発音を録音するのが効果的です。録音してみた自分の声とお手本のスピーカーの発音がどれだけ近づいているか、注意深く耳を澄ませてチェックしてみてください。
一方、アドリブでスピーチをするのは、誰にでもすぐできるようなことではありません。人前に立つだけで心配になる、不安になる、緊張して上手く声が出なくなるという人も少なくないでしょう。その上でアドリブのスピーチを行うのは、とても大変なことなのです。
アドリブでスピーチを行う場合にポイントになるのは、話をしながら、次に自分が何を言おうとしているのかを頭の中で整理することです。また、最終的にどういったことを言いたいのかというゴールを用意しておくと、道中はアドリブが利きやすくもなるでしょう。まず最終的に何を言いたいのかを決めて、そのゴールに向かって、少し離れたところから話し始めるというようなイメージです。
ちなみに、アドリブの場合でも原稿を読む場合でも、そのスピーチを録音してみて自分で聞いてみるのはやはり効果的です。第三者としてそれを聞いて聞き苦しくないか、どういったところが聞きづらいか、発音が不明瞭になっているところはないか、といったところを別人になったつもりで厳しくチェックして、自分なりに満足できるまで録音し直すことで、ある程度納得のできるレベルに到達できるでしょう。
ただそれは、あくまで正しい発音やアクセントを身につけていればの話です。最初はお手本となるスピーカーを見つけて、その人の真似をするところから入るようにしましょう。