真似をすることで学ぶという考え方が最も当てはまるのは、スピーキングの勉強であると言っても過言ではありません。母国語が英語でない人にとっては、スピーキングは『発音したことのない音』の習得に始まり、母国語とは異なるイントネーションやリズム、ペースに順応していくことでもあります。そんな状況では、最初はどうしても『その発音やイントネーション、リズムを習得している人』の真似をするしかないのです。
ありがたいことに、インターネットのおかげで『お手本とする人』を見つけることは容易になりました。ネットでの英会話教室なども役に立ちますが、それだけでなく、例えば洋画や海外ドラマの登場人物や、海外のYouTuberなど、参考にできるイングリッシュスピーカーはたくさん存在しています。
まずは、自分がお手本としたいような映画やドラマのキャラクターや、海外のYouTuberを見つけましょう。そして、そうしたキャラクターたちの言葉使いを真似してみましょう。このとき、どういった単語を使っているかということだけでなく、どのような発音になっているかということもチェックしながら真似をすることがポイントです。自分の発音を録音してお手本と聞き比べるなどして、できるだけそれに近づけられるようにしましょう。
あるいは、洋楽の中にお手本とする発音を見つけることもできます。お気に入りの洋楽をカラオケなどで歌ってみましょう。そのとき、できるだけ歌手の発音に近づけて歌いましょう。カタカナ英語ではなく、アレンジを利かせたりもせず、歌手がどう歌っているかを意識し、完全にコピーするつもりで歌ってみることがポイントです。これにより、単語レベルの発音について新たな気付きを得られることもあるはずです。
もちろん、お手本とするスピーカーや歌手によっては、スタンダードな発音にならないこともあります。また、例えば映画のギャングをお手本にしたら、言葉使いはかなり荒くなってしまうかもしれません。そのため、真似をするときにはひとつのキャラクターや歌手を真似するのではなく、複数の真似をするためのお手本を持つようにすると良いでしょう。
こうした真似をするのは、「英語を使う場合、会話の中でどういったやり取りをするものなのか」や「どう発音するのが良いのか」ということを明らかにすることが目的です。英語での『言葉のキャッチボールの仕方』を、まずは見て(聞いて)学ぶというようなイメージを持つと良いでしょう。そうして慣れてきたら、自分なりのボールの投げ方(言葉の使い方)を試してみましょう。